今回は拳骨をつかったスープを作ってみました。
これまでは鶏がら中心のスープでしたが、納得行くものが得られていませんでした。
そこで、今回は変化をつけるために豚の拳骨を入手し使ってみることにしました。
このあたりの肉屋さんは拳骨を置いているところが少なく、どこに行っても「取り寄せしかないですね。しかも、10kg単位でしか扱いませんよ」などと冷たい返事しかかえって来ません。
近江牛が有名なここ滋賀県では豚を真剣に扱っているとことは数少ないようです。
しかし、ハムを作っているところには豚の骨を扱っているはず!!という推測をもとに、比較的近所の関西ハムさんに行ってきました。丁寧に対応いただきチャーシュー用の豚バラと拳骨2kg、なんと背油1kgまで入手することができました。本当に感謝、感謝です。
スープ1
具材 |
分量 |
備考 |
水 |
4.0L |
水道水 |
拳骨 |
1.0kg |
4本 |
鶏肉 |
1/2羽(510g) |
水郷どり |
鶏がら |
4ケ(700g) |
スーパーで入手 |
モミジ |
500g |
水郷どり |
背油 |
300g |
|
しょうが |
10 [g] |
|
たまねぎ |
1/2ケ |
100g |
にんじん |
1/2本 |
100g |
白菜 |
150g |
|
長ネギ(葉) |
2本 |
|
スープ2
具材 |
分量 |
備考 |
水 |
1.0 [L] |
水道水 |
混合削り節 |
20g |
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こんぶ |
15g |
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干し椎茸 |
2ケ |
大分産 |
乾燥ホタテ |
2ケ |
4g |
乾燥イタヤ貝 |
3g |
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かつお削り節 |
10g |
薄削り |
スープの食材は拳骨の効果を確かめるために通常の分量としました。野菜は白菜とにんじんを追加しています。
スープ
これが入手した拳骨です。
血抜きやら、灰汁抜きやらをしっかりしないととても臭みのあるスープになってしまうといろんなところで聞きます。ここはしっかりと下処理をしてスープの風味を殺さないようにしなければ....。
2kgで8本ですので、1本あたり250gの計算になります。今回は4本使うことにしました。
ぬるま湯を沸かして血抜きを行います。
冷凍状態ではなかったですが、すっかり冷たくなっていたので流水では時間がかかってしまうのではないかと思い、体温に近い40度近辺の温度で血抜きをすることにしました。
理屈的には早く血抜きができるのではと思うのですが、どうでしょう。
おお!!出てきました!!。
あっという間に骨の部分から血液がでてきて透明度がなくなりました。
血の池地獄(別府地獄めぐり)を髣髴させます。
15分程度を2回繰り返すとそれ以上は出ないようです。写真は2回目の状態です。
次に灰汁抜きです。
血抜きのあとは沸騰したお湯で灰汁抜きをします。ぼこぼこと黒っぽい灰汁が出てきます。5分ほどすると灰汁も出なくなったようなので取り出して冷やします。
骨についた肉の残りや付着した灰汁を取り除きます。スープが濁らないようにするためです。
拳骨を割って投入します。ここで大苦戦!!
いろいろな情報から拳骨はハンマーで割るとあります。ところが我が家にはハンマーがありません!!唯一自動車の工具箱のモンキースパナがあったので試してみましたが、割れない...。がんがん音を立てて何とか1本割れました。しかし、このままでは近所からうるさいと苦情がきそう...。断念して包丁で割れ目を入れるだけにしました。
何とか割れ目を入れましたが、包丁の刃が欠けてしまい、かみさんに申し訳ないです。
次回試作時は鉈を手に入れておきます。
その他食材を投入します。
今回の試作でストックしておいた食材はすべてなくなってしまいました。次回は新たに取り寄せなくてはなりません。
次回は手羽先など使ってみようかと思います。
一度沸騰させて灰汁抜きを行います。
下処理をしっかりした成果があり、あまり多くの灰汁は出ていません。これでスープの濁りもないでしょう。
野菜類の投入です。
白菜のいいにおいが充満しています。白菜を入れようと思ったのは先日晩御飯に白菜スープが出てきてこれはいけると思ったのがきっかけです。意外に良い風味が得られるかもしれないと期待しています。
これが背油です。
関西ハムのおっちゃん曰く「とんこつを使っても背油を使うラーメン屋はそう無い。いいスープができるよ!!」とのこと。非常に勇気付けられてうれしかったです。
背油投入!!脂身ですがしっかりした固さをしています。
あまり灰汁は出ないようです。背油のコラーゲンを溶かし込むことと、最終的にはこの背油をラーメンにのせてみようという企みです。とろとろになるまで煮込んでゆきます。
チャーシューも投入!!今回は豚バラです。関西ハムの豚は美味しいでしょうか。
肉と脂身のバランスがしっかりしています。スーパーなんかで買うとやたら脂身ばっかりのものなどありますが、関西ハムのものはしっかりと余分な脂身を取り除いているようです。
次に魚系スープの作製です。
魚系は比較的すぐにだしが出ます。前日から水につけておくなどの工夫をすれば非常に良いスープが取れるそうですが、今回は2時間ほど漬け込んでからの出汁とりです。
業務用混合削り節とかつおの薄削りをメインにしました。
魚系スープの完成です。
30分ほど煮出してから、かつおの薄削りを投入!!5分ほどしてから完成です。かつおのいい香りが部屋中に充満しています。出来上がりは800cc程度になりました。このままうどんを食べたくなる気持ちをを押さえてらーめん作りを継続します。 そういえばうどんの冷凍麺があったことを思い出しました。
肉系スープの完成です。
今回は6時間の煮出しで終了です。3Lほどの量になっています。濁りもあまり無くいい色してます。
肉系スープの余分な脂を取り除きます。
前回作製したスープは脂分が多く食べたときにちょっと脂多すぎ感がありました。その反省を踏まえて今回は余分な脂分をあらかじめとっておくことにしました。
また、スープストックの際に最初は脂の多いストックになりますが、最後の方は脂が少なすぎるということがあります。この反省も踏まえてです。
取り除いた脂分です。
俗に言うチー油というやつでしょうか。黄色い脂です。冷蔵保存しておいて次回からのらーめん調理時に加えてゆこうと思います。
背脂です。
とろとろになった背脂を引き上げて網でこしました。ちょっと網目が細かかった?らーめんに浮かべてもぱっと見わからないかもしれません。
スープをブレンドします。
肉系スープと魚系スープのブレンドです。割合は大体4:1くらいになります。魚系の存在感を出すには3:1くらいがいいのかもしれませんが、まぁこんなところで。
今回は麺を外から買ってきました。
たまには外の麺が食べてみたいというかみさんの要求です。スープと合うのか、美味い麺なのかが気になります。コトブキといメーカーのようです。
完成
一杯目は塩らーめんです。
トッピングはチャーシュー、ゆで卵、海苔、きざみ葱、ほうれん草です。
塩ダレは前回のシジミを使った塩ダレを寝かしておいたものを使用しました。
二杯目は醤油らーめんです。
醤油ダレは前回の醤油らーめんと同じものを使用しました。ひっそりと背脂が浮かんでいることが伺えます。
食後の感想
☆☆☆
かみさん曰く「うまい。けどあまりとんこつの風味はない。☆三つ」
とのコメント。
確かに拳骨いれたという感じはありません。しかし、旨みは少し増しているようです。白菜やにんじんの甘みも加わっています。
白菜の風味はすでになくなっていることから、白菜の風味を出すには調理直前にスープと一緒にゆでるのがいいのかも知れません。大阪の神座(かむくら)のように。
もっと旨みを出そうとしたら食材の量がいまのままでは少ないのかもしれません。美味いが後一歩のこくが足りない。
チャーシューは絶品です。関西ハムさんありがとうございます。またお願いします。
麺は茹で時間1分。ちょうどいい茹で加減でした。しかし、かみさん曰く「スープと合っていないし麺自体の美味しさがあまりない。」厳しいコメントです。確かにそうかも。このスープには縮れ麺の方が合ったかもしれません。
次回は食材増量と自家製麺でチャレンジします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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