自作ラーメン知識学

 ここではらーめんの自作にあたって、管理人が学習した内容を一部掲載しています。参考にしていただいて美味しいラーメンを作ってくださいね。


「だし」について
 「だし」とは
 「うま味」について

「だし」の種類について
 コンブだし
 かつお節だし
 煮干だし
 鶏がらスープ


「だし」について


「だし」とは
 「だし」とは、つまり食材を煮出した後に固形分を取り除いた液体部分のことである。だしは煮物や汁ものベースとなり「うま味」という部分で重要な要素を持つ。だしは世界各国でその土地の文化や生活習慣、環境により独特に発達しており和洋中の料理を問わず用いられる。呼称も日本料理では「だし」、西洋料理では「スープストック」、中華料理では做湯(ツウオタン)とその呼び方もさまざまである。

 日本料理での「だし」はコンブだし、節類のだし、煮干だし、きのこだし、魚介類のだし、鶏のだし、牛肉のだしなどの種類があり、節類のだしには鰹節、さば節、いわし節など、きのこだしでは椎茸、シメジなど、魚介類のだしにはエビ、ホタテ、アサリ、魚類など、鶏のだしにはかしわ肉、鶏骨、牛肉のだしにはすね肉などの材料が用いられる。

 西洋料理の「スープストック」はミートストック、チキンストック、ボーンストック、フィッシュストックなどの種類がありミートストックには牛肉、チキンストックには鶏肉、ボーンストックには牛、豚、鶏骨、フィッシュストックには魚のあらなどが用いられる。

 中華料理の做湯(ツウオタン)には葷湯(フォヌタン)、素湯(スウタン)などの種類があり、葷湯(フォヌタン)には鶏、豚、ハム、干し貝柱、干しエビ、スルメなど、 素湯(スウタン)にはもやし、椎茸、白菜、筍、人参、玉葱、セロリーなどが用いられる。

 ラーメンに用いられる「だし」はその種類やレシピによるが、基本的にはボーンストックや節類のだし、人参や玉葱などの野菜を用いた素湯(スウタン)などの和洋中の「だし」をブレンドして作る場合が多く、ある意味で世界のスープ技術を駆使して作られる料理であるということは間違いない。

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「うま味」について
 「だし」は食材を煮出した後に固形分を取り除いた液体部分のことを言うと前述したが、この液体部分の中に「うま味」が抽出されている。うま味の成分についてはさまざまなものがあるが、コンブのグルタミン酸、かつおのイノシン酸、しいたけのグアニル酸などは良く知られている。貝類のコハク酸も独特のうま味があるが使用量が多いとエグ味がでて逆効果になる場合がある。
グルタミン酸はアミノ酸系の成分であり、イノシン酸、グアニル酸は核酸系の成分である。イノシン酸やグアニル酸はそれぞれ単独で用いるよりもグルタミン酸と併用することでうま味の相乗効果があるため複合させて用いることが多い。

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「だし」の種類ついて



コンブだし

 コンブの種類は多くマコンブ、ラウスコンブ、リシリコンブなどは有名である。古くからだし原料として用いられ、様々なうま味成分が多量に含まれている。主な成分はアミノ酸系の成分でグルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、プロリンである。プロリン、アラニンは甘味の強いアミノ酸である。

 核酸系の成分はほとんど含まれていないかあったとしても極僅かなのでコンブのうま味に与える影響はほとんどない。したがってうま味の相乗効果を出すためにはコンブだしの他に核酸系の成分が含まれるだしを併用する必要がある。

 コンブの表面を覆っている白色粉末の主成分はマンニトールといわれる糖アルコール であり、さわやかな甘みをもっている。使用する際にはカビと間違えて洗い落とさないように注意しよう。汚れなどがついた場合は固く絞ったぬれた布等で軽くふき取るくらいに止めたい。

 コンブには抗腫瘍効果のある多糖類、血圧降下作用のあるラミニンなど薬効成分も含まれている。

 コンブにはうま味成分のほかにアルギン酸などの多糖類を含みこのアルカリ塩は水に溶けて粘性の高い液体となる。また、コンブ特有の香りがあり、うま味の抽出はこれらの粘性や香りに注意しながら作業する必要がある。

だしのとり方
 コンブはまず水に浸しておく。15分〜2時間ほど水につけておくだけでだしがでる。これだけでも良いが、この水出ししたものを加熱して沸騰する直前にコンブを取り出す方法もある。この方法がもっとも一般的である。さらに熱湯でしばらく炊く場合もあるが、この場合は使用する昆布の品質が上物であることが条件である。

 一般的にコンブは高温で加熱しない方がよい。前述したようにコンブ臭や粘性物質がでてきてエグ味が出てきてしまうからだ。冬場には3時間、夏場には1時間くらいの水出しがよいというのが一般的だ。

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かつお節だしについて

 かつお節の製造工程で特徴的なものは「焙乾(くん乾)」「かび付け」である。焙乾でくん煙臭がつけられ、かび付けによって臭いが改善される。また、これらの処理によって保存性も得られる。

 かつおからかつお節になるまでにはさまざまな工程をへて完成までに約60〜80日ほどかかる。そのうち10〜20日は焙乾の工程、残りは数日の処理作業を除いてほとんどがかび付けの作業となる。

 焙乾はかつおの乾燥とくん煙による効果を付与する作業である。
乾燥によって水分40%以下にすることで細菌による腐敗を防ぎ、さらに15%以下にすることでかびの繁殖を防ぐ。

くん煙によって次の効果を付与することができる。
 1)くん煙臭の付与と生臭さを抑える
 2)腐敗防止
 3)酸化防止
 4)色沢の付与

かび付けには次の効果がある。
 1)かびによる水分除去
 2)かびによる脂肪分解
 3)香気の改善
 4)不良かびの繁殖抑制
 5)だし汁が透明になる。

 かつおの呈味成分の内、だしとして有効な成分は遊離アミノ酸とイノシン酸である。遊離アミノ酸の中でもヒスチジンが圧倒的に多く、ついでアラニン、グリシン、リジンなどであり、グルタミン酸はあまり多くない。
イノシン酸はかつお節のうま味の本体である。イノシン酸は乾物中の0.3〜0.9%含まれている。

だしのとり方
・一番だし
 もっともうま味と良い香りがあるだし汁で、コンブとともにだしをとる。昆布を引き上げただし汁が煮立ったところに削り節を入れ、さっと一煮立ちしたところで火をとめる。かつお節が沈んだところで布巾やキッチンペーパーで濾す。沸騰したところに投入するのはかつお節の生臭さをなくす効果がある。また、水に対する使用量は4〜6%の間が適量で少ないとうま味が少なく、多すぎると濃厚すぎる上に渋みが感じられる。
 血合いの部分を使っただし汁は色が濃く、においもあまりよくない。これらを用いた料理は味噌汁や煮物が適している。また、背肉の部分を使っただし汁は香りもよく、色も薄く、澄まし汁に用いるのが最適である。

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煮干だしについて

 古代、鰹節は上流階級のだし用として用いられていた。一方、庶民のだし用として用いられたのがこの煮干のだしであった。煮干はその名の通り「煮てから干す」工程を踏むので魚の体にある酵素や細菌類は死滅し、保存性がよくなる。
 煮干といえばカタクチイワシが代表的であるが、イワシにはイノシン酸が多く含まれるため良い(うま味のある)だしが取れるためである。カタクチイワシは煮た後、数日天日干しし、さらに乾燥機にかける等するため魚臭さは低減されコクのあるだしが取れる。
 マイワシを煮干にしたものは平子煮干しといい、カタクチイワシよりもややうま味に劣る。
 ウルメイワシを煮干にしたものをウルメ煮干しといい、他の煮干に比べて脂肪分が少なく淡白なだしになる。
 煮干でだしをとると良く分かるが、イワシ特有のにおいがある。加熱時間や温度によってこのにおいは変化するので、だしを取る際の火加減には注意が必要である。沸騰させて30分くらいさせると嫌な臭みは飛んでしまうようである。

だしのとり方
 頭と内臓を取って水から火にかけるのが一般的である。頭と内臓を取る手間があるが、この作業を省くとエグ味となって美味いだしが台無しになる。煮干は身が固く、厚みがあるので、一晩水につけ置きしておく方がうま味を引き出す事ができる。少なくとも1時間はつけ置きすることをお勧めする。煮出し時間は沸騰させ30分もすれば生臭さも取れて、うま味も十分では無いかと思う。蓋をして沸騰させると生臭さが残るのでお勧めしない。まんぼーも第一回目はこれで失敗したので、強調しておきます。

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鶏がらスープ


 肉の部分を取り除いた骨の部分をいわゆる「がら」といいます。この「がら」を香草などと煮込んでにおいを消したり、野菜と一緒にエキスを出したりしたスープが鶏がらスープです。
 旨味成分の主なものはアミノ酸とイノシン酸で、アミノ酸の中でもグルタミン酸が豊富に含まれています。イノシン酸とアミノ酸の含有量はほぼ同程度のようです。いわゆる地鶏は美味いスープが取れると言われますが、地鶏とブロイラーの旨味成分の差はほとんどなく、含有量が地鶏の方が多いということがその理由のようです。
 日本料理では古来より鰹節やいりこなどが出汁の素材として使われており鶏がらスープはあまり活用されていませんでしたが、中華料理や西洋料理ではもっともポピュラーな素材です。中華料理と西洋料理の鶏がらスープの違いは香草によるところが大きいようです。中華料理では葱や生姜をもちいますが、西洋料理ではセロリや人参などを用います。ラーメンスープは中華料理の範疇に入りますが、香草にセロリなどを使うとちょっと洋風でお洒落なスープが出来ますので、試してみてはいかがでしょうか。また、西洋料理では鶏がらを一度オーブンで焼き、臭みを取りつつ焦げの香ばしさをスープに加えるという方法を用いる事が多いようです。
 ガラエキスに鶏肉を併用するケースがありますが、これは鶏肉のうま味を利用するためです。鶏肉のうま味は主にイノシン酸とアデニル酸になります。一般にグルタミン酸とイノシン酸を併用するとうま味の相乗効果があるといわれていますが、ある意味理にかなった手法といえるでしょう。アデニル酸は他の肉類に比べると格段に多く、これが鶏肉のうま味を特徴付けるのではないでしょうか。

だしのとり方
 鶏がらのだしは下茹でする方法としない方法があります。どちらがよいということはありませんが、下茹でする方は血合いが取りやすくなり下処理が楽であると同時に余分な脂分を取り除く効果があります。一方で下茹でしない方は鶏のうま味を残さずスープに移すという点で効果があります。灰汁は下茹でした方が出にくいですが、下茹でしなくてもそれほど大変ということはありません。
 鶏がらを下茹でする場合はさっと10〜20秒という時間で良いでしょう。長くなるとうま味が逃げ出してしまいます。冷凍のまま熱湯に入れれば良いです。その後は胴体に残っている血合いを取り除きます。指をグッと押し込む事で簡単に取り除く事が出来ます。下湯でしたものもしないものも同様の処理を行いますが、流水にさらしながらの作業はうま味を逃がすだけですので最後にさっと水をかける程度がお勧めです。血合いを取り除かずにスープをとると臭味が含まれて美味しさを損ないます。下処理の手を抜くと時間を賭けて作ったスープが台無しになるので、手を抜かないように。
 血合いを取り除いた後は鍋に敷き詰めます。出来るだけ隙間のないような詰め方がお勧めです。水を入れた後はしばらく強火で煮ます。温度が高くなると灰汁が出てきますのでしっかりと取り除きます。これを怠ると臭みのあるスープになってしまいます。ある程度灰汁が取り除かれればそのまま加熱を続けます。ころあいを見て臭みけしの香草を加えてください。
沸騰した状態では焦げ付きが出ますので時折かき混ぜます。時間が経つと白色の白湯スープになります。3〜5時間くらいで完成です。沸騰するかしないかの状態で加熱すると黄金色のスープになります。5〜7時間くらいで完成です。


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